◆アズルー/ラグの買い付け

アズルー到着。
山間の静かな気持ち良い町。
アズルー周辺は、ベルベルの村・小さな町が沢山ありラグ&カーペット作りが昔から盛ん。
マラケシュに山ほど出ているような新しいラグではなくて、本物の古いラグにめぐり合えることがある。
この辺りにラグを買い付けに来るのは一年振り。
お店ではなくて、卸用の倉庫のようなところで購入する。
私:「場所、覚えている?」
夫:「たぶん行けば分かるかも。」
夫:「だけど、もう余りないらしいって言う噂だしアズルーは時間の無駄だよきっと。ケミセットで仕入れれば良いじゃないか。」
私:「でもケミセットにはアズルーのラグ無いし、せっかくだから見るだけ見て、無ければすぐに帰れば良いじゃない」
こんな会話を交わしながら、町の中に入る。
私と夫がこの町で探そうとしているのはBeni M'tirと言う非常の伝統的なラグ。
本物のトライバルラグで、最近では余り織られなくなってきているもの。
色使いや柄が非常に美しく、いつも探しているのだけれど、マラケシュでは殆ど見かけないし、あっても欧米コレクター向けのアンティークショップ。
横じまのもの、横じま×縦じまのもの、チェックのような柄のもの、色々あるけれど、どれも色合いが非常に落ち着いていて綺麗なのが特徴。
大好きな紫が良く使われているのも嬉しい。
遊牧民はテントの床にラグを何枚も重ねて使っていたのだけれど、その一番上に敷く飾ラグがこのラグ。
床に敷くための大きなラグをハンブルと言うのだけれど、ハンブルサイズの場合、160×300位あるものが多い。
まったく、こんなに大きなラグ、日本の住宅でどうするの?
と思うくらい巨大。
と、そんなラグ。

ラグを求めて倉庫にたどり着く。
この倉庫は、普通のお家のようなところにある。
マラケシュでも見かけるような新しいラグが沢山積んであって、ちょっと心配になったけれど、古いベニ・ムティールのラグと言うと数枚引っ張り出してきてくれた。
どれも素晴らしい。
その中でも、凄い!と思えるようなラグがあったのだけれど、残念ながら売り物ではないらしい。
何でも彼のお父さんがスイス人のコレクターに売って、破れてしまったから、修復のために送り返されて来たものだと言う。
修復跡を見せてもらった。
綺麗に直してあるけれど、明らかにここを直しましたという事が分かる仕事。
残念・・・・マラケシュの職人さんに頼んだらもっと綺麗に直せたのに。
ラグの修復は、まったく同じ色の糸を使ってする必要があるから、中々難しい。
修復のプロといわれる職人さんは、色々な毛糸をコレクションしている。
これらは古いけれど余り価値の無いラグの毛糸を解いて保管してあるもの。
こう言う素材はマラケシュの方が沢山あるのかもしれない。

見せてもらったラグの中から、この地方のラグの持ち味である色合いが特に素晴らしいものを選び購入。
ラグを担いで歩くお店の人の後姿を見ているとなんだか凄く幸せな気分。

【アズルー】
山間にあるベルベル人の小さな町。
一応ガイドブックにも載っているけれど、余り観光地っぽくない。
バス駅の周りに大きなモスク、お店、レストランなどが固まっている他は、普通の住宅街が広がっている。

何気ない雑貨店の店先に色とりどりの毛糸が売られている。
新しいラグを織るためのもの。
これで織ると結構きつい色になりそうだなあ、と思いつつも、こんな小さな店で毛糸が売られているなんて凄いなあと思う。
ディアモロッコ/宮本 薫 http://www.dearmorocco.com/
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